東方に張り出した長方形の曲輪で、”千人枡”とも呼ばれています。大手口・三の丸警固のための侍詰所があったと推定されます。昭和６３年度（１９８８）の発掘調査で、門礎石・玉砂利敷・石段が新たに発見されました。現在は、曲輪内部は、盛土・芝張でこれらの遺構を保護しています。櫓台と内側・外側の石垣危険箇所については平成２年度（１９９０）に緊急修理を実施し、併せて、大手口から東出丸への仮園路を整備しました。

本丸より一段低いところに位置する東西３４間（６８ｍ）、南北６２間（１２４ｍ）の曲輪です。 現況では玉砂利敷や礎石と考えられる石が認められます。また、城内の高台では唯一の井戸跡が 残っています。肥前名護屋城図屏風には殿舎や公家風の人物が描かれ、当時の三ノ丸の様子が窺がえます。 大手口から本丸に通じる重要な曲輪で、本丸周辺を警固する侍が詰めていた場所と考えられます。 平成３年度（１９９１）に砕石を補充し仮園路の整備を実施しました。

三ノ丸と本丸を結ぶ通路で、平成３年度からの発掘調査によって、大きな城門の礎石やＬ型に曲がった石段、石垣の上へあがる広い石段などの遺構や、門や櫓のものを思われる大量の瓦などの遺物が見つかりました。さらにここは数度の改築が行われており、現在の形が一度にできたのではないということもわかりました。平成５年度の石垣修理では、変化の最終時期を基本に、門礎石を加えて整備しました。

正岡子規の弟子でもある関西の俳人、青木月斗が詠んだ句碑。