私は、ずいぶん幕末から明治にかけての時代を、小説として書いてきました。ほぼおわって、・・・
というのは、そういう年齢になったということです。・・・もう明治について書かないだろう、そういうときに
あたって、自分が得た「明治国家」の像をお伝えするのは、自分の義務ではないか。たれから与えられた義務でもありませんから、ちょっと滑稽なのですが。ついでながら、明治は、近代日本語をつくりあげた時代でもありました。たとえば、いま私が申しあげた、「義務」 あるいは権利。この二つのことばも、明治国家が翻訳してくれた言語遺産です。手放しでいうわけではありませんが、明治は多くの欠点をもちつつ、偉大としかいいようがない。
司馬遼太郎氏著『
明治という国家』より。
背景
大将たちの史跡
日露戦争
司馬遼太郎氏関連
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